工房の和染紅型が出来上がるまでには、おおよそ9工程あります。
初代から引き継ぐ伝統工法ですが、
アイデアを出し工夫をして、時代に合わせながらひとつの染色作品を仕上げていきます。
和染紅型が
できるまでWork flow
01
下絵を描く
栗山吉三郎初代、二代目、三代目による、それぞれ個性的なスケッチなどをもとに下絵(したえ)と呼ばれる原寸の図案を起します。
下絵の保存は、型紙にしてから墨色を使い紙に刷り出し、その紙を保存しています。



02
型彫り
柿渋をひいた和紙に、小刀を使い、緻密な文様を彫り上げてゆきます。
一見同じように見える文様も手彫りだからこそすべてが微妙に変化しその味わいが生まれます。



03
糊置き
板に生地を貼り付け、型紙をあて、防染糊(もちのり)を均一に置いて乾かします。糊を置いた部分が染まらない箇所になります。



04
地入れ
染めムラや滲みを防ぐため、乾燥状態を見ながら豆汁(ごじる)と布海苔(ふのり)の溶液を刷毛で引いて乾燥させます。



05
彩色
地入れした生地の文様に染料を手挿しで彩色していきます。大小の刷毛を使い分け、深みのある美しい色に染め上げます。
紅型の色彩感を大事にしながらも時代にあわせた色も取り入れています。



06
糊伏せ
彩色をした部分に地色が染まらないように模様に糊を置いて伏せます。生乾きのうちに挽き粉というおがくずで糊を覆い糊のひび割れを防ぎます。



07
地染め
糊伏せをしたら、全体を大きな引き染め用の刷毛で地色を染めていきます。ムラなく染め上げるには熟練の技を必要とします。



08
蒸し・水元
地染め後、色を定着させるための「蒸し」は専門業者に出します。
工房には自然の冷たい水を張ったプールのような水槽があります。蒸しの後、生地を揺り動かしながら防染のための糊などを洗い流すと鮮やかな模様が現れてきます。水元も手仕事のひとつですが、真冬は過酷な作業です。



09
乾燥
水元を終えた生地は、工房内にある広い乾燥室で乾かします。濡れた反物は、色移りしやすいので手早く干すことも重要な作業です。
